Somewhere in the Arctic

北欧在住。家の窓からオーロラが見える、雪深い北極圏近辺でひっそり暮らしています

転機を繰りかえしてたどり着いた自分らしくいられる場所

 
「転機」とは、改めて、どういうことを意味するのだろう。
まずは転機の意味を調べてみた。
 
”他の状態に転じるきっかけのこと”をいうのだそう。
 
 
そう思うと、私はこれまで何度も自分で、転機を自分で作ってきたように思う。
ある程度一つの環境に身を置くと、全く違う環境に移動したくなるのだ。
 
 
もちろん同じ場所で学べることは沢山あるのだろうと思うけど、私にとって、環境を変えることは、リセットになり、色々な意味で緊張感が生まれ、また自分が考えもしなかった文化や、出会うことが出来なかったであろう人に出会うことが出来ると思っている。
 
 
自分が当たり前と思っていた環境から、当たり前でない環境に変えていくことで、新しいものを吸収したいという意識が強かった。
 
 
その中でも私のこれまでの仕事の転機は、大きく4つに分かれていると思う。
 

 




1.世界と繋がる海と関わりたいという思いから選んだ、最初の就職先。

A large number of shipping containers in a busy cargo port
 
大学卒業後に働きたいと思ったのは、港の近くに生まれ育って、好きだった海や船と関係する仕事。
海外に憧れがあり、小さい頃からよく目にしたコンテナ船が世界に繋がっていると聞いてロマンを感じた。

そして就職活動時には、家の近くでよく目にする、コンテナに書いてあるロゴから会社を探し、徹底的に応募した。
 
 
幸いにも、その中で応募した、コンテナ船輸送を行う外資系の会社に就職することが出来た。

 
普段のオフィス業務では、あまり感じることは出来ないが、現場に足を運ぶたびに、大きなコンテナ船、また大きな海を目の前にし、自分の関わっている仕事が、ここから世界に繋がっているんだと思うと嬉しくなった。



2.家族との時間を大事にしたいと思って転職した転職先。

 
しかし、まだ色々なことが不器用で、がむしゃらに働いていた若かったあの頃。
リーマンショックのしわ寄せを肌で感じたあの時期。
ボーナスカット。残業禁止と言われるも、終わらない仕事の量。


最後の一年は心身ともにどんどんつらくなって、体調を壊してしまった。

体に元気がないと、休みの日も何もやる気が起きなくて、ただ眠たいだけの毎日。
ぼーっとしていることも多く、これじゃ駄目だと思った。

結婚も目の前に控えていたにも関わらず、夫と時間のすれ違いばかりで、もっと夫と過ごす時間を優先したいという思いの方が強かったので、私の切り替えは早かった。
 
 
次は、自分がやりたいことよりも、家族との時間を優先出来る職場にと、転職活動をした結果、前職での営業経験と、英語を使っていた経験を買ってくれた、外資系IT企業への転職が実現した。
 
アジアの企業から、アメリカ企業へ。
外資系企業でも、国が違うとそれぞれの文化は異なっていて、また新しい一面を見ることが出来た。


毎月のように営業売り上げが発表され、結果がよければ、どこで仕事をしていようと気にしないという、私がイメージしていたアメリカのイメージにピッタリの企業文化を持った会社だった。
 
 
「残業は平均30時間以下」と書かれたところに惹かれて入ったものの、そのカラクリは、どこでも自分のパソコンを持って帰って、家でも仕事が出来るという環境が作り出したものだった。
 
 
それでも、前職は会社でないと仕事が出来ない環境だったことから、家に仕事を持って帰ってでも仕事が出来る環境になり、夫と一緒に晩御飯を食べて、時間を共にすることが出来て、嬉しいと感じたのを今でも覚えている。




3.そして海外へ。
 

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そして新たな転機。
私は、これまでの経験から、「体調を崩してまで、または大事な人との時間を犠牲にしてまで、仕事がしたいのか」と、思考錯誤する中、これからの人生について色々夫と話し合った結果、海外への移住を決心した。
 
移住先は、北欧、スウェーデン。
このブログのタイトルにもなっている北極圏近くの小さな町へ。
以前住んでいた東京とは比べ物にならない小さな町だった。
 
 
小さな町だったこともあってか、仕事をするにも、まずはスウェーデン語が話せないとお話にもならないという、0よりマイナスからのスタートだった。
 
スウェーデンに移住した頃は、子どもに戻ったような気持ちになった。
日本で、考えずに言葉にしていたことが、全く表現出来ない。上手く話せない。
仕事以前に、生活する最低限のことをするだけでも、たくさんの労力を使ったように思う。
(今でもそうだけど。。)
思い通りに、伝えることが出来なくて、悔しくて何度も涙を流すこともあった。
 
 
仕事があるということが当たり前ではないと感じた。
そんな中、日本での職業経験を活かして、やっとありつけたインターンシップ。
 
 
お金はもらえなくても、スウェーデンの社会の一部として入れたことがとても嬉しかった。



4.金曜の16時には誰もいなくなる会社へ。
 
A man reading in an office directly sitting and facing towards the window flooded with rays of sunshine
 
インターンシップ先の会社では、驚きの連続だった。
 
オフィスには小さな部屋が沢山あり、それぞれが個人の部屋を持っていて、私にも一つの小さな部屋が与えられた。
大きなフロアに、沢山並べられた机が部署ごとにグループを作って、座る形式だった今までの会社とは全く違う環境だった。
 
聞きたいことがあっても、ノックをして部屋まで行くにも、ちょっと気を使ってしまう自分がいて、最初は声をかけるのにもとても勇気がいった。
 
 
朝10時と14時半ごろの2回はお茶の時間があり、中央のキッチンが備え付けてある、リビングのような部屋にみんなが集まって、コーヒーを飲みながら休憩する ”FIKA(フィーカ)”という時間が、スウェーデンのオフィスではとても重要な時間だった。

他社に電話しても、「今はフィーカの時間でいません」と応答されることもあった。
フィーカの場はある意味、社内の政治関係を築くためには大事な場であるということが、後になってわかるようになった。
つまり、ただのお茶休憩なのではなく、この休憩時間に、社内の人間との関係を築くことが、自分の仕事にも繋がってくるということだ。話せなくてもなるべく顔を出すようにした。
 
 
金曜日の午後になるとちらほら人がいなくなり、16時には誰もいなくなっていた。私が最後ということもあった。

金曜日や連休前は、家族や友人と過ごすために早く帰るという、皆さんの潔い帰り方に、入ったばかりの私は戸惑ったものである。明日できることは明日やる。今日しなければいけないことは集中してやる。
 
 
スウェーデンで初めて体験した職場は、私のこれからの働き方を更に考える転機となった。
 
 
 
                                                                       §

 
そして現在。
こうやって少しずつの小さな転機を積み重ねてきて、「こうしたいと思ったけど違っていた」、「こういうことは自分に向いてないと思っていたけど、案外楽しいのかも」など、自分がこうしたいと思う働き方が見えてきたように思う。
 
でもきっとこの思いはまたどんどん変わって、また、#わたしの転機 になるのだと。

その時感じた、やりたい、変わりたいという思いをその都度大事にしてきて良かったと思う。
やはり動いてみないと何も始まらない。これからもその思いを大事にしていきたい。
 
 
自分の考えを覆すような体験、人と出会うことで、私は私であって、他の誰とも比べる必要がない。そしてみんな違ってていいんだと、強く思えるようにもなった。
 
これからも沢山の転機を作っていきたい。
これからの人生も楽しみだ。

 
読んで頂いて有難うございました。