Somewhere in the Arctic

北欧在住。家の窓からオーロラが見える、雪深い北極圏近辺でひっそり暮らしています

火事の事件のその後 ホテル暮らしの日々

スウェーデンはすっかり秋で、最近は紅葉が美しく外の景色からも秋を感じられるようになってきました。最近は雨ばかりでその美しい紅葉の葉があっという間に散ってしまわないかちょっと心配。少しでも長めに長い冬へ入る前の秋を楽しみたいこの頃です。

少し時間があいてしまいましたが、前回の記事で住んでいるアパートの火事に巻き込まれたことを書きました。
その続きです。

arcticmaricorima.hatenablog.com

火事の次の日

6月最後の日に起こった火事の日。
避難のため、火事があった当日の夜にホテルを手配。急なホテル滞在になった次の日の朝食はホテルのブッフェ。種類が豊富なホテルの朝食ブッフェにちょっと旅行気分に嬉しくなりました。ホテルから会社へ向かうのも不思議な感じです。


朝食会場では真っ先に朝刊の新聞を開きました。
大きく一面に火事のことがのっていました。なんか聞いたらわかるでしょうというような内容も間違っていて、案外新聞も適当なんだなって思いながら朝ごはんを頂きました。この時点ではまだ火事の原因は不明と書かれていました。

次の日の地元の新聞記事



その後また火が発生したという情報もあり消防車が待機していたり、指示があるまで建物へは入れませんと言われていたのですが、次の日の夕方には確認が取れて完全に消化されたということで、貴重品など必要なものを取りに行くためなら家に入ってもいいと連絡があり、仕事後、恐る恐るアパートへ向かいました。


集合玄関入口はロックをかけず開けられていて、昨日から鳴り続けているであろう火事の警報音がすごい大音量で鳴り響いていました。


入ると煙の臭いが建物の中に充満していてこれは少しでも長くいると気分が悪くなるにおい。6階で燃えていたのに1階の入口付近の壁も黒くなっていたりとこんなとこにまで影響が出ているのかと驚きました。
エレベーターはもちろん使えず、階段で上へ。燃えた階を通ると壁は真っ黒で、消火した時の水と混ざって灰色っぽい水が天井から垂れていたり、臭いも強烈なものでした。
私の住む階の共同スペースも、天井から灰色の水が垂れていたり、壁が黒くなっていて、消火の後を物語っていました。
ただただ、燃えてませんようにと願いながら恐る恐る自分のアパートのドアを開けました。。。

 

幸いにも何も燃え移った物はありませんでした。ああ、よかった!と声がもれました。
見た目だけだといつもの部屋の風景。でも、閉め切っていた部屋の中にも換気扇や通気口から入ってきたであろう、火災臭が部屋に広がっていて、窓を開けないと長い時間いるのは辛い状態でした。

衣服などは臭いが取れにくいので、火事の説明があった時に持ち出さないほうがいいと言われたものの、流石に何も着替えがなかったので、何枚か大丈夫そうなものを急ぎでパッキング。電気も水道も止められていたので、ああ、冷蔵庫と冷凍庫の物どうにかしないとなと思ったものの、あまり長く滞在は出来ないので、後は必要な貴重品などを詰め込んでその日の滞在は短く家を後にしました。

 


この日は金曜日。週末は大抵のことが機能しなくなってしまうこの国で、保険会社の人も、とりあえず月曜日までホテルの滞在をのばしましょうと提案してくれたので、有難く月曜日までの延泊をお願いしました。

ホテルはとても快適でした。
同じ町にあるホテルになんてなかなか泊まる機会はないので新鮮な気持ちです。

アパートからも近かったので、その後もアパートの片づけや荷造りをしに行ったり、仕事へも自転車で行ける距離で、本当に助かりました。

 

 

ホテルでの過ごし方

最終的にホテル暮らしは10日間続きました。

仕事も火事の事もで色々とやることや決めることも多く、心身共に疲れ切っていましたが、清潔なホテルの部屋で、また暑い日が続いていたので、クーラーのある部屋で休めたことは本当に有難かったです。
(寒い国なのでクーラーがある家はまだ少ないのです)
キッチンはないので、毎日外食で買って帰ったりしてホテルの部屋で食べたりしていました。最初は久しぶりの外食を楽しんでいましたが、外食が続くとやはり一般的に受けるような味付けで作っているので味も濃く、どんどんお腹にきますね。。
数日すると胃がもたれてきました。外食費もばかになりません。家で作ったご飯が食べれるって自分にはとても大切だということを改めて気づかされました。

朝食もブッフェで、最初は嬉しくて、色々なものを食べてみたりしましたが、日が経つことにつれて、毎日外食で胃ももたれてきたので、色々選びたい放題なのにあまり食べれなくなってきました。4日目ぐらいからは定番化してきてヨーグルトとグラノラ、そしてオーツミルク入りコーヒー。普段はブラックコーヒーですが、これもホテルのコーヒーはスウェーデン人が大好きな濃いコーヒーで毎日飲むと胃が疲れてきました。

ホテルでヨーグルトだけをブッフェで選んで食べている人を以前に見たときは、あんなに選択肢があるのになぜヨーグルトしか食べてないのだろうなんて余計なお世話ですよってことを勝手に心の中で思ったことがあったのですが、おそらく私のように何日も滞在してホテルの朝食が定番化してしまった人なのかもななんて考えたり、もしくはどこでもぶれずに自分軸のある人でいつも同じものを食べている人なのかな~なんてただ頭に浮かんできたことをぼーっと考えながら朝食会場の人を観察しながら食べる毎日。

窓際に座ると緑が沢山見えて素敵な風景でした。
週末はファミリーで賑やか。平日は夏は建設ラッシュなので体格のいい建設現場で働いているのであろう人たちが朝からもりもりご飯を食べていたりとホテルのいろいろな姿が見れて楽しめました。



現実逃避

ホテルに持ってきたものは本当に僅かなものでした。洗濯が出来なかったので、友人宅の洗濯場を使わせてもらって本当に助かりました。
スウェーデンのホテルは備え付けのシャンプー、ボディーソープはあるものの、リンスを置いているところは少なく、私の泊まったホテルにもありませんでした。
一日ぐらいならいいものの、毎日だとどんどん髪が傷んできます。
こんなことになろうとも知らなかった火事の数日前に頭皮をケアしようと買ったLushのRootsという商品(日本では現実逃避という名前で売られているんですね!)をトリートメント代わりに使って、まさに現実逃避をした毎日でした。


ちょうど暑い毎日が続いていて、ペパーミントが入っていることで頭皮がスッキリして、また髪もサラサラになって、香りもよくとてもリフレッシュできました。
まさに僅かな至福の時でした。
特に夏の汗ばむ時期におすすめです!


管理会社からの連絡


ホテル暮らしも数日が経った頃、管理会社からそれぞれのアパートの審査をしたところ、私たちの住む階の住人は修理に最低三カ月から六カ月はかかると連絡がありました。
管理会社のほうで、仮住まいの用意はできると思うけど、選択肢はないので、おそらく学生向けのアパートになるかもと言われていました。
学生アパートだと仕事からも遠いし、キャンパスライフを満喫している人たちが中心なので、週末はパーティが多く、騒音も多め。。どうしよう。。

自分達で何か探せないかなと当たってみたものの、何十年も住宅難のスウェーデン。
やはり何人か聞いてみたものの、数日の間で仮住まいを見つけることは難しそうでした。
最終的には管理会社の人も私たちが二人暮らしということを考慮して、中心地とは離れてはいるけれども、静かなエリアの住宅街の方を提案してくれました。

でも提案されたその日に決めないといけなかかったため、都合のつく夫に内見に行ってもらい、その日に契約書にサイン。他に選択肢はありません。でも住むところがとりあえず決まって良かったです。
仕事からも遠くなったということで、保険会社と交渉して、通勤バス分の定期代を出してくれるということで合意し、一安心。
なんでも言ってみないとわからないものですね。交渉してくれた夫に感謝です。

火事から1週間経った日に仮住まいが決まりました。
今住んでいるアパートの3倍の大きさで、そこは備え付けの家具もなく、私たちも殆どの家具を処分せざる負えなくなったので、何もないまま空のアパートへ引っ越しすることになったのです。

私は焦っていました。後3日で、ホテルを出て、引っ越しをしなければいけないこと、また被害のアパートから必要なものは運び出しておかなくてはいけなかったこと、そして仕事は終わらせておかなければいけなかったこと。また3日後には日本に出発することになっていたからです。



ここまで読んでいただき有難うございました。